TRYCUT2000/3000ユーザーで、TRYCUT5000を試用される皆様へ
TRYCUT2000/3000ご利用の方で、TRYCUT5000を試用していただいた場合に、 よくあるケースですが、TRYCUT2000/3000同様のレスポンスをイメージ されていることによるストレスがあります。 TRYCUT2000/3000では、Z-MAPという大変簡素化したデータ構造を 採用していて、処理の省略を徹底しているからこそ得られているレスポンスであることを、 まずはご理解いただけますようお願いいたします。 一方TRYCUT5000には、そのストレスを緩和する処理も用意してきました。また2000/3000の 操作に慣れているからこそ知っておいておいていただいた方が良い項目もあります。試用する際に は、以下にまとめましたものをご一読いただければ幸いです。 ★ライセンス未取得状態でも試用可能ですが、一部使用制限があります。使用制限を 解除して試用されたい場合は、1〜2ヶ月程度の試用ライセンスを発行させていただきますのでregist@trycut.comまでお知らせ下さい。 ★試用の目的 ・TRYCUT2000/3000ユーザー向けに新しいデータ構造(DME)の特性の理解(ユーザー側)、特に 精度やレスポンスの違いを把握してもらい、実用レベルの精度(格子ピッチ)を探って もらう。 ・TRYCUT5000に対する期待の多くはレスポンスに集中しています。加工前の検証ツール として、現実的に利用可能か否か、レスポンスの確認(ユーザー側)を 行なっていただくこと。 ※5軸向けシミュレータの多くは、 加工が進むにつれレスポンスが悪化してくると言われています。 これらはB-Rep系ソリッドエンジンを採用している可能性があります。 工具跡のカスプが増えるにつれブーリアン演算の負荷により、 異常に遅くなってしまうという問題があります。 一方TRYCUT5000は2000/3000に比べるとレスポンスは落ちますが、 現実的なレスポンスを確保できるワークの粗さを把握し運用していただければ、 NCデータの長さ、カスプや形状の複雑さに関係なく、安定したレスポンスで シミュレーションできる特性があります。 ・回転軸が付加されることにより機械、特に回転軸を定義(ユーザー 側)する設定が必要です。また正確に定義しておく 必要があることから、導入前にその部分の感触を理解しておいていただく。 ・試用中のフィードバックをもとにして、導入までに問題点を対策(弊社側)した り、現状明確になっていない部分の仕様の調整(弊社側)を行なう。 ※試用中に何か不具合や改善点、ご要望などがありまし たら、ぜひsupport@trycut.comまで御連絡 下さい。よろしくお願いいたします。
★試用される前の重要な設定(特に重要)
TRYCUT5000の各種設定ファイルの考え方は基本的にTRYCUT2000/3000と
同様ですが、3軸の工作機械と異なり、2つの追加された回転軸の定義を
MTLファイルにて追加定義する必要があります。
まずは、これらの設定を正確に行なって試用して下さい。
★TRYCUT5000の操作について ・TRYCUT5000の操作は基本的にTRYCUT2000/3000の操作仕様を継承して いますが、現段階では、TRYCUT2000や3000で実現している全ての機能を網羅できていません。技術的に実現 可能な部分に関しましては、可能な限りバージョンアップにて対応して行く予定です。 ・TRYCUT5000は、ワーク(被切削材)のデータ構造、描画処理で利用するインターフェイス(OpenGL)、タスク管理 処理など、TRYCUT2000やTRYCUT3000とは根本的に異なった処理を行なっています。GUIが似ていることで逆に それぞれのレスポンスの違いに気がつくことがあるかもしれません。特にデータ構造が大幅に複雑になって いることによるレスポンスの劣化は避けられないのですが、この部分を緩和するためにTRYCUT5000にのみ実装 している操作(後述:TRYCUT2000/3000にない操作)もあります。
★TRYCUT2000/3000とほぼ同じ操作で実装している基本操作
常時表示ですので、表示非表示の切り替えとして機能します。 ★TRYCUT2000/3000にない操作
1.「被切削材(W)」→「円柱定義機能(U)」 "TAB"又は"Shift"+"TAB"による、シミュレーション実行中のモード切り替え
"TAB"による切り替え
"Shift"+"TAB"による切り替え
3. 実加工中
4. スキップ加工中 5. UNDO(Cキー)操作の階層の初期設定ファイル内での指定 初期設定ファイル("Ctrl"+"F1")の[Define]セクションにて、"UNDO=回数"で指定可能にしています。 TRYCUT5000は、TRYCUT2000/3000と異なり、バックアップデータを用意する処理が瞬時に行なえなかったのですが、 Version2.09以降は改善(ほぼ瞬時に)されていますので、UNDO操作を有効にして利用されたい場合には、 なるべく最新のモジュールをご利用下さい。 6. 「表示制御(P)」→「表示ON/OFF/半透明制御(P)」
7. 'T'キーによる工具/ホルダー部表示のON/OFF/半透明表示の切り替え
8. 'Q'キーによる機械形状表示のON/OFF/半透明表示の切り替え
9. 'A'キーによるワーク表示のON/OFF/半透明表示の切り替え 10.F6キーによるパス表示のON/OFFの切り替え
11.「加工(R)」→「回転動作実加工モード(A)」
★仕様調整中の項目 ・機械側形状(テーブルやヘッド)の簡易定義パラメータ ・機械座標系の原点位置。機械座標系の原点位置は機械メーカーによって様々な場所に 設定されていて標準的な考え方は無いようです。TRYCUT5000では現状テーブル中央の上面に設定して います。もし実機とズレがある場合には、左パネルのワーク座標系(G54)の設定で吸収できますが、これら の設定も含め全て機械側の設定と一致させる場合には仕様の調整が必要になります。 ※機械側形状の定義は、あくまでも現時点では以下のような考え方に基付いています。導入初期の 段階でもある程度使えるように配慮した結果です。
STLによるインポート(MTLのTABLE1 MODELやHEAD1 MODELで指定、一番確実。)
※自動最適定義は、ROTARY TYPEやTABLE1 TYPE、各軸の方向、OFFSET量、ワークサイズなど
より、最適なものを自動定義していますが、あくまでも想定ですので正確さには限界があり
ます。可能であればSTLファイルによるインポート(例)を推奨します。
不具合項目と対策状況 今後の改善候補項目と改善状況 TRYCUT5000適用例と設定方法
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