各種座標系
TRYCUT5000が扱う座標系を大きく分けると、機械座標系、ワーク座標系、制御座標系の
3種類があります。
機械座標系は固定で、回転テーブルの軸の位置などを指定する場合の原点になります。
ワーク座標系に関しては、FANUCモードの場合には、制御装置が電源ONと同時にG54ワーク座標系が
初期状態として選択されますので、TRYCUT5000起動時も同様にG54ワーク座標系が選択されて
います。OSPモード(CTLファイル内でPRODUCT=OSPを指定)では
初期状態ではワーク座標系は選択されていません。
制御座標系は、NCデータブロックで指定される値を制御する座標系です。基本的には
ワーク座標系と同一ですが、G92指令やローカル座標系指定によりズレが生じます。
左側パネルの「制御点座標(XYZ**)」と「計測位置(XYZ)部」、被切削材の最大最小値は
マウス左クリックすることにより、それぞれ以下のように座標系を切り替えることができます。
1. 制御点座標値(A,Bは指定により変わります)
X,Y,Z,A,B --- 指令点の制御座標系での位置(※初期状態)
Xm,Ym,Zm,Am,Bm --- 指令点の機械座標系での位置
Xt,Yt,Zt --- 工具先端のワークに対する機械座標系での位置
2. 計測位置(XYZ)部
Xw,Yw,Zw --- 計測点のワーク座標系での位置(※初期状態)
(ワーク座標系が指定されない状態では本モードに切り替わりません)
Xm,Ym,Zm --- 計測点の機械座標系での位置
3. 被切削材の最大最小値
MaxXw〜MinZw --- 被切削材のワーク座標系での最大最小位置
(ワーク座標系が指定されない状態では本モードに切り替わりません)
MaxXm〜MinZm --- 被切削材の機械座標系での最大最小位置(※初期状態)
制御点は、パネル制御(画面左上方+,-)により移動を行うことができます。
+,-はマウス左ボタンで、押し続けることにより、操作できます。また、この位置は、左パネルの「制御点座標値」やポップ・アップ・メニューの
「加工(R)」の「制御点座標値設定(X)」で直接指定すること
もできます。
コントローラー定義ファイルにて、G92MODEを
NORMALに指定している場合は、制御点移動後G92ブロックを処理すると
そのG92指定の座標値に置き換えられます。また同時にそのズレが制御座標軸に
反映されます。
座標系のズレと制御点座標は、各処理によって更新されるものも
あります。現Versionにおける仕様を明確にしておきます。それぞれの仕様は
状況によって現状がベストとは言えないものがあるかもしれません。もしご要望など
ありましたらお知らせ下さい。
1. DME/DMF/STL読み込み直後
座標系ズレは強制的にリセット。(操作性配慮のため)
制御点座標値は、ワーク上面のXY最小位置。(決める基準が特にないため)
2. NCデータ選択時の最適被切削材定義直後
座標系ズレは強制的にリセット。(操作性配慮のため)
制御点座標値は強制的にNCデータの開始点に。(操作性配慮のため)
3. 加工異常終了直後
座標系ズレは、強制的に実行直前のズレに戻す。(操作性配慮のため)
制御点座標値は、強制的にNCデータの開始点に戻す。(本来の姿ではないかもしれないが操作性配慮のため)
4. 加工正常終了直後
座標系ズレと制御点座標値ともに、NCデータの指令に従う。
"C"キーにより、加工直前の状態に戻すことができます。
5. パス表示
座標系ズレと制御点座標値ともに、実行直前の状態のまま。
6. 帳票出力直後
座標系ズレと制御点座標値ともに、実行直前の状態のまま。
7. NCデータの選択直後(最適な被切削材定義を行わない)
座標系ズレと制御点座標値ともに、選択直前の状態のまま。
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