被切削材の定義方法
4通りの方法が用意されています。
1. XYZ最大値/最小値の2点で指定することによる直方体の定義
ポップ・アップ・メニュー「被切削材(W)」→「2点指示定義(D)」
XYZの最大値点と最小値点の座標と、被切削材の精度を指定して定義します。
また同時に工具指令点の初期位置の指定方法を以下の3つの中から選択することができます。
・XYの最小値/Zの最大値位置に初期配置されます。
・定義時の指令位置そのまま。
・指定された指令位置に更新されます。
※本設定は、運用環境によりほぼ設定が決まってくると
思われることから指定内容が保存されます。
2. ワーク座標原点位置を基準にした直方体の定義
ポップ・アップ・メニュー「被切削材(W)」→「ワーク座標原点基準定義(W)」
ワーク座標(例:FANUCの場合G54)系原点位置と、定義される直方体のXYZ方向端面(左端/右端/前端/後端/下面/上面)、
もしくはそれぞれの方向で中心位置に合わせる選択と、XY方向の幅、Z方向高さで定義します。
またそれぞれの方向に余肉(マージン)も指定可能です。
被切削材の精度と工具指令点の初期位置の指定は「2点指示定義(D)」と同様です。
3. 円柱や円筒形状の定義
ポップ・アップ・メニュー「被切削材(W)」→「円柱定義(U)」
内径に0にすると円柱。0以外の場合は円筒形となります。
被切削材の精度と工具指令点の初期位置の指定は「2点指示定義(D)」と同様です。
4. NCデータ参照による最適定義
「NCデータ(N)」の「選択して最適被切削材定義(W)」を行うと、
指定されたNCデータの切削送り部の座標値より最適なサイズで直方体の被切削材がセットされます。
この場合、NCデータの中にG92指令が存在すると、
最初のG92指令の位置を最適なスタート点とみなし制御点座標値としてセットします。
ここで表現される「切削送り部」とは、通常G01部分ですが、
初期設定ファイルにて"RAPID FEEDRATE"が指定されている場合には、
この設定値より遅い部分のみを切削送り部と見なします。
被切削材(直方体)のサイズ
(被切削材の最大X値)=(切削送り部の最大X値)+(指定されているXマージン量)
(被切削材の最大Y値)=(切削送り部の最大Y値)+(指定されているYマージン量)
(被切削材の最大Z値)=(切削送り部の最大Z値)+(指定されているZマージン量)
(被切削材の最小X値)=(切削送り部の最小X値)-(指定されているXマージン量)
(被切削材の最小Y値)=(切削送り部の最小Y値)-(指定されているYマージン量)
(被切削材の最小Z値)=(切削送り部の最小Z値)- 10.0(mm)
注意:この時の工具指令点は、G92の指令があるときはその指定座標値、
ないときは選択時の指令位置がそのままとなります。
注意:既に定義済みのもの、又は切削済みのものがセットされていても置き換えられます。
また、その形状が標準化されているものであれば、被切削材の保存機能でセーブしておくことにより、
利用したいときに、そのデータを「読み込み(L)」するだけで復元することができます。
また被切削材が正確に定義できないことにより、工具破損が問題になる場合は、
「加工(R)」の「各種干渉チェックの設定(I)」でチェックを外して下さい。
干渉を無視して強引に切削することができます。
目次へ
|