機械定義ファイル


 TRYCUT3000でシミュレーションを行う工作機械の仕様を設定 (「F4」キーで編集)します。 それぞれのパラメータは以下の形式で指定します。

   キーワード=設定値

 先頭が # で始まる行はコメント行となります。

キーワード 内  容
NAME  工作機械の名称を指定します。この名称は、コメントであり処理には影響しません。[文字列:最大20文字]
ATC TYPE  自動工具交換の方法を指定します。[DIRECTまたはWAITまたはWAIT2]
DIRECT : 工具交換をTコードのみにより行います。

DIRECTのみ旋盤系Tコードに対応するために、ケタ数の追加指定も可能です。(Txx,yy)、xx=工具番号、yy=工具長補正番号
 T4桁コードの指定例:
 ATC TYPE = DIRECT(T2,2)

WAIT : Tコードでは工具交換の待機状態になり、M06コードにより実際の工具交換を行います。(TコードとM06コードの同一行指定時は、Tコードが優先で、 このTコードで指定された工具に交換されます。)

WAIT2 : Tコードでは工具交換の待機状態になり、M06コードにより実際の工具交換を行います。(TコードとM06コードの同一行指定時は、M06が優先で、まずは待機中工具に交換され、Tコードで指定された工具が次ぎの待機工具になります。)

TOOL CHANGE TIME  待機中工具との工具交換時間。(単位:秒/回)
MAXIMUM FEEDRATE  全軸の指定可能な最大送り速度。(単位:mm/分)この指定では各軸ごとに 設定することはできません。なるべく次ぎの各軸ごとの指定を行なって下さい。
MAXIMUM FEEDRATE(X or Y or Z)  各軸の指定可能な最大送り速度。(単位:mm/分)省略時は30000と みなします。詳細は工作機械の仕様に合わせる必要があります。
※現在この設定値は、帳票出力の加工見積もり時間算出時にのみ参照されます。

MAXIMUM ACCELERATION(X or Y or Z)  各軸の切削送り時の最大加速(減速)度。(単位:G) 省略時は0.5Gと みなします。詳細は工作機械の仕様に合わせる必要があります。参考までに現行の 工作機械は、ほぼ以下のような値で公表されたりしますが、<注意>に書きます ように十分注意が必要です。
・小型超高速機 :1G
・小型通常高速機:0.3〜0.4G
・大型機    :0.1〜0.3G

<注意>
 今までの実績を分析しますと、これらはあくまでも理想的な条件に合致した 場合の値で、微小移動情報が連続したりする場合には、実際は これらの値の1/10〜1/100しか加速度が与えられていない場合が多いことが 判ってきています。 別の見方をすればNCデータの各移動情報の長さや継ぎ目の角度など、その素性によって 与えられる加速度が極端に抑えられているということになります。
 現在この設定値は、帳票出力の加工見積もり時間算出時にのみ参照されていますが、 加工見積もり時間が実際より短くなる場合には、現状ではこの加速度の設定値を NCデータの性質に合わせて小さめに調整していただくべきかもしれません。
 加速度を一定とみなすことの限界と言えますが、シミュレーターとして現状仕様を 当面の妥協点としています。

RAPID(X or Y or Z)  各軸の早送り速度。(単位:mm/分)省略時は30000と みなします。詳細は工作機械の仕様に合わせる必要があります。判らない場合は、 とりあえず切削送り時の最大速度に合わせておいて下さい。一般的には大差ない 場合が多いと思われます。
※現在この設定値は、帳票出力の加工見積もり時間算出時と、CTLファイルのG00MODEがASYNC2の時の動作軌跡算出時に参照されます。

RAPID ACCELERATION(X or Y or Z)  各軸の早送り時の加速(減速)度。(単位:G)省略時は0.3Gとみなす。早送り時の 加速度は切削送りの時よりは無理の無い低めの加速度が与えられるのが一般的ではあり ますが、詳細は工作機械の仕様に合わせる必要があります。
※現在この設定値は、帳票出力の加工見積もり時間算出時と、CTLファイルのG00MODEがASYNC2の時の動作軌跡算出時に参照されます。

INI  初期状態のアタッチメントを指定します。アタッチメントを有効にしたい 場合は、必ず指定して下さい。この指定がない場合はアタッチメントが無視され ます。
指定例:ATTACHMENT01のみ定義されている時
INI = ATTACHMENT01

※本仕様は将来的に自動アタッチメント交換のシミュレーションにも 対応可能とすることを前提にしたものです。

ATTACHMENT**
(※**は2〜3ケタの任意番号、10個まで定義できます。
連番の必要はありません。)
 アタッチメントの定義を行います。現行は以下のSQUARE文のみ用意されて います。
SQUARE/D1,H1,D2,H2,,,,Dn,Hn(nは最大5):真四角形状

指定例:
INI = ATTACHMENT01
ATTACHMENT01 = SQUARE/100,10,120,80

 なお機械定義ファイルは、ポップ・アップ・メニューの「設定ファイル(T)」もしくはドラッグ アンド ドロップにより切り換えが可能です。


目次へ