干渉情報ログ
各種干渉チェックの設定でSTOP(一時停止)を指定している場合、
それぞれの干渉箇所においてシミュレーション中に一時停止しますが、
この一時停止が頻繁な場合には、
詳細な確認は程々にして、後から確認するケースが多々あります。
このため干渉情報のログを同時に書き出しています。
また、初期設定ファイル側でSTOP指定している環境で、
起動オプションの終了までの実行を行うモード(/x5,/x5f,/x6,/x6f)で起動した場合、
干渉を検出しても途中停止しません。
この場合には終了後に干渉状況をログで確認することになります。
このログは通常"interference.txt"という名称で、作業フォルダに書き出され、
シミュレーション後に自動で開かれます。
なお/x5,/5fオプション起動時の終了後も自動で開かれますが、
バッチで連続実行する目的では、これが不都合になることがあります。
この場合、それぞれ起動オプションに"n"を付けて/x5n,/x5fnで起動して下さい。
ログは自動で開かれなくなります。最小化されたまま実行する/x6,/x6fオプションは、
もともとの仕様としてログは開かれません。
現在の最新バージョンにおいて、ログに出力可能な干渉状態は以下の7種類になります。
干渉表記 | 初期設定ファイルでの指定方法 | 干渉内容 |
RAPID(G00) | INTERFERENCE=STOP | 早送り(G00)で切削しようとした |
TOO FAST | INTERFERENCE=STOP | RAPID FEEDRATEより高速で切削 |
OVER LENGTH | HEIGHT CHECK=STOP | 有効刃長が不足 |
OVER CHIP | CHIP-W CHECK=STOP | チップ幅(バーチカルミルのみ)が不足 |
TAPER | ARBOR CHECK=STOP | テーパー(LENGTH2/LENGTH3)部分で干渉 |
ARBOR | ARBOR CHECK=STOP | ARBOR部分で干渉 |
ATTACHMENT | ARBOR CHECK=STOP | ATTACHMENT部分で干渉 |
SPINDLE | SPINDLE CHECK=STOP (現在初期設定ファイルでのみ対応) |
スピンドル停止中(M05)に加工
(FANUC系のM03/04/05のみ認識) |
※同一ブロックで種類の異なる複数の干渉状態が検出された場合、+で干渉表記が繋がれます。
※"RAPID(G00)"と"TOO FAST"は同時には出力されません。
※"RAPID FEEDRATE"は初期設定ファイルCtrl+F1)の[Define]セクションで設定。
※起動オプションを利用して実行する場合、事前に初期設定ファイル側の設定(上の表参考)を行っておいて下さい。
["interference.txt"の出力例]
RAPID(G00)+ARBOR ← 干渉状態 ※早送り(G00)干渉とARBOR干渉が検出された例
11:G00Y-20000F100 ← 検出ブロックの、行番号:元データ
RAPID(G00)
95:G00Z5000
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このログでは、各ブロック内で発生する干渉状況を出力しているもので、
その移動ブロック内のどの位置から干渉しているかの詳細な把握はできません。
通常の加工モード(高速版を除く)においては、
もう少し詳細に工具の移動ピッチごとの情報を得ることも可能です。出力方法は
作業フォルダ下に"interference2.txt"という名称のファイルを置いておくだけです。
空ファイルでOKです。既に"interference.txt"が出力されている環境では、"interference2.txt"に名称変更しておいていただいても問題ありません。
それ以降は"interference2.txt"側に以下の例のように移動ピッチごとの詳細な干渉情報を書き出します。
この場合は出力順が異なり、先に検出ブロック情報が書き出され、その後にブロック内の詳細な干渉情報(位置など)が羅列されます。
加工データや条件によっては、膨大なデータ量になってしまうこともあります。
データ量節約のため、"OVER LENGTH"は"LENGTH"、"OVER CHIP"は"CHIP"で簡略化しています。
["interference2.txt"の出力例]
11:G00Y-20000F100 ← 干渉検出ブロックの、行番号:元データ
RAPID(G00):5/10:X70.000000Y-25.000000Z5.000000
RAPID(G00):6/10:X70.000000Y-24.000000Z5.000000
RAPID(G00):7/10:X70.000000Y-23.000000Z5.000000
RAPID(G00)+ARBOR:8/10:X70.000000Y-22.000000Z5.000000
RAPID(G00)+ARBOR:9/10:X70.000000Y-21.000000Z5.000000
RAPID(G00)+ARBOR:10/10:X70.000000Y-20.000000Z5.000000
↑ 干渉状態:位置番号/分割数:XYZ値 (※分割数は経路の長さと工具の移動ピッチで計算されます)
95:G00Z5000
RAPID(G00):6/10:X50.000000Y170.000000Z9.000000
RAPID(G00):7/10:X50.000000Y170.000000Z8.000000
RAPID(G00):8/10:X50.000000Y170.000000Z7.000000
RAPID(G00):9/10:X50.000000Y170.000000Z6.000000
RAPID(G00):10/10:X50.000000Y170.000000Z5.000000
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上記の出力例の見方は、
11行目の中程から早送り(G00)干渉が検出され後半にかけてARBOR干渉も同時検出され、
95行目の後半でも早送り(G00)干渉が断続的に検出されたと見なせるものです。
<注意点>
・工具の移動ピッチを細かくすればするほど、
"interference2".txt"では詳細な位置が把握できるようになりますが、
干渉位置が断続的なケースですとログの行数が異常に多くなる場合があります。
・"interference.txt"や"interference2.txt"の上記出力形式は、
あくまでも現最新バージョンでの仕様で、
今後のバージョンで干渉表記の項目が追加される場合もあります。
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