trread

(経路データの読み込み)

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　TRYCUTはＮＣ工作機械のシミュレーターとして公開してきたものですので、基本的にＧコードやＴコード、Ｍコードなどを基本にしたテキスト形式のＮＣコードを読む仕様になっています。一方、工具軌跡のフォーマットは、従来からバイナリ形式のＣＬ(APTなど)データや、ＮＣデータでもバイナリ形式のものがあったり、用途によって様々なものがあり、やはりこれらの経路においてもチェックしたいことは同じなので、できればTRYCUTで加工確認しておきたいというニーズもよくありました。
　ところが、特にＣＬデータなどもAPT準拠の標準的なものもありますが、現実には亜種が多く、これらの経路データを読む場合には、それぞれ専用に用意する必要が出てきました。これでは開発元が対応したと考えていても、ほとんどの場合ある特定ユーザーでしか役立たないということになりかねません。trread では、これら様々な経路データ（拡張子で分別）用に、それ専用の読み込み処理を TRYCUTに組み入れることを可能にするものです。この部分をTRYCUT開発元が用意するにしても、ユーザー様側で用意するにしても、いずれにしても無駄な機能を本体に組み込まれてゆくことなく必要な機能を選択したTRYCUTを利用できることになります
　また、同時にtrread ではパスの色分けなども可能で、この部分は以下にサンプルとして公開しています。
※本trreadで読み込まれる経路データに関しては、帳票出力も同時に対応されることになります。また読み込み中にインタラプト「ＥＳＣ」や「シングル」などの対応や起動形式での指定も可能になります。

＜仕様＞

　trread は、以下１２種類から成る関数(手続き)のダイナミックリンクライブラリ (DLL) trread.dll をTRYCUTインストールフォルダに格納することにより有効になります。

TRREADINIT
TRREADSUFFIX　★
TRREADKIND　★
TRREADPATHCOLOR
TRREADOPEN
TRREADTOOL　工具定義パラメーターの詳細
TRREADTOOLLEN
TRREADARBOR
TRREADSTARTPOINT
TRREADPATH　★
TRREADCLOSE
TRREADFREE

・trread関数詳細仕様(trread.cppスケルトン)
※現在、各関数の仕様書はC++のスケルトン（枠組み）プログラムで代用しています。
※DephiやFortranで開発される場合は、 C,C++ & Delphi(Pascal) & Fortran 対応付けをご参照下さい。
※★印は必ず必要な関数で、無印は省略可です。最低３つの関数で動作可能です。
※DLLの名称は通常"trread.dll"ですが、"trread1.dll","trread2.dll","trread3.dll" も順番に認識し、最多３個まで受け付けます。最多３個ですので"trread.dll", "trread1.dll","trread2.dll","trread3.dll"の４つのファイルが存在する場合は、 "trread3.dll"は無視されます。複数のtrreadを処理対象にしたい場合は、名称をこれらのように変更してインストールフォルダに格納して下さい。

　これらのDLLが実際認識できているかどうかは？ TRYCUTの「NCデータ(N)」の中の「選択(S)」の中の「ファイルの種類(T)」の中にTRREADKINDで指定した項目が以下のように追加されていることで確認できます。

＜例１＞

［機能］
　TRYCUTにて、Heidenhain社製コントローラーのL-Code指定のNCデータを読めるようにする。

・スケルトンの枠組みに沿って作ったサンプルプログラム
trread.c　このサンプルは、なるべく簡単に見えるように、必要な部分だけを抜き出してコーディングしています。また他言語環境で改変できるようにコメントもアルファベットだけにしています。

TRYCUT2000(32bit)用:trread.dll、 TRYCUT3000(64bit)用:trread.dll

本サンプルは、あくまでもHeidenhain向けL-CodeタイプNCデータのある一例を読めるように作成したものであって、あらゆるケースを保証しているものではありません。円弧(C-Code)や固定サイクルは対応されていません。一度お試しいただき、問題点があれば改変して下さい。または、 support@trycut.comまで、ご相談下さい。

＜例２＞

［機能］
TRYCUT最適化機能にて出力される切削モニタリングデータ（テキスト形式:通常 "CUTDATA.TXT"）を経路データとして読む。
※単位移動当たりの除去量によりパスを色分け。

・スケルトンの枠組みに沿って作ったサンプルプログラム
trread.c　このサンプルは、なるべく簡単に見えるように、必要な部分だけを抜き出してコーディングしています。
　また、少し改変すれば、様々なパターンのパスの色分けも可能になるはずです。パスの色分けに関しては、従来から様々な要望がありましたが、それぞれの要求は１０社１０様でなかなか出来合いのもので満足できるケースは少ないだろうと思われます。本ソースコードの公開により、ベストな仕様のものに改変していってもらえることを期待しています。

※trreadの仕組みは、けっしてパスの色分けを目的に用意しているものではありません。あくまでも経路情報を読み込むために用意したものではありますが、TRREADPATHCOLORとTRREADPATH関数の連携により、色分けも可能になったものです。

　本ソースを元にしたDLLは以下です。
TRYCUT2000(32bit)用:trread.dll、 TRYCUT3000(64bit)用:trread.dll

TRYCUTインストールフォルダに保存してご利用下さい。

"F6"キーにてパス表示（単位移動当たりの除去量による色分け）

　※今後、各関数の仕様変更は行いませんが、ご要望により適宜仕様追加は行います。

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