シミュレーションの精度とデータ量


 TRYCUTには、切削のシミュレーションを行う上での精度に関連する 重要なパラメータが2つあります。ひとつは被切削材の精度で、もうひとつは 工具の移動ピッチです。これらの初期値は 初期設定ファイルで指定されているもので、ポップ・アップ・ メニューの「オプション(O)」−>「ピッチ(精度)指定(P)」で 起動中の変更も可能です。

被切削材の精度  TRYCUT5000で扱う被切削材のデータは、基本的にXYZ方向同一ピッチの格子状の 点群となっています。この値はその格子ピッチとなります。この値が小さければ小 さいほど精度はよくなりますが、逆に格子点数はピッチが
1/2 になると 2x2x2=約8倍
1/10 になると 10x10x10=約1000倍
に増え加工処理速度は相応に遅くなります。
 指定方法は、実際の値を指定する方法と、全格子点数の上限を指定してその範囲内で 最も大きく切りの良いピッチを自動決定する方法が あります。
注:少なくとも工具の径よりも十分小さい値にする必要あり。
注:この値を小さくすればするほどプログラムが確保するメモリ空間も増加し、環境に よって動作不能になる場合あり。
工具の移動ピッチ  現時点のバージョンでは、工具の移動ピッチに従って工具が置かれた位置でのみ 被切削材を削ってゆくというシミュレーション処理を行っています。したがって この値は正しくは無限小である必要がありますが、被切削材の精度との関係 からむやみに小さくても意味がなくなってしまいます。最適な値は被切削材の 精度と同じか若干小さい値です。
 この値も指定方法は2通り用意されていて、実際の値を指定する方法と、 もうひとつは上記の被切削材のピッチに対する比率で 指定する方法があります。通常は後者で比率が1.0であれば、最も最適な シミュレーションが行なえるはずです。
 なお、この値の大小は、プログラムが確保するメモリ領域には関係しません。

 注意被切削材の精度(「オプション(O)」−>「ピッチ(精度) 指定(P)」で変更)については、変更時に設定値が反映されるのではなく、 そのあと被切削材を定義するときに初めて反映されます。また、保存されている 被切削材を呼び出したときは、そのデータのもつピッチの状態で処理されます。

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